化学物質の安全性に関する略号解説


インデックス

ACGIH:American Conference of Governmental Industrial Hygienists,Inc. 米国産業衛生専門家会議
米国の産業衛生の専門家の組織。化学物質の職業上の許容濃度の勧告値の設定や、発がん性の分類を行っている。
発がん性の評価ランクは次のとおりである。
 A1:人に対して発がん性が確認された物質
 A2:人に対して発がん性が疑われる物質
 A3:動物発がん性物質
 A4:発がん性物質として分類できない物質
 A5:人に対して発がん性物質として疑えない物質

ADI:Acceptable Daily Intake 一日許容摂取量
生涯を通じて連続して毎日暴露を受けても有害な影響を受けることが有りそうもない暴露量。

EC50:50% Effective Concentration 半数影響濃度(水性毒性)
OECD生態毒性試験ガイドラインにミジンコを使った遊泳阻害試験など

EPA:Environmental Protection Agency 米国環境保護庁
発がん性の研究を実施しており、発がん性の評価ランクを次に示す。
 A :人発がん性物質
 B1:疫学的研究から限定された人への影響を示す物質
 B2:動物での充分な証拠があり、かつ疫学的研究から、人での発がん性の不十分な証拠があるか、または証拠が無い物質
 C :動物において限られた発がん性の証拠があるが、人に関するデータが無い物質
 D :人及び動物において発がん性の証拠が不十分で有る物質または発がん性のしょうことなるデータが無い物質
 E :異なった種を対象とした少なくとも2つの適切な動物試験で発がん性の証拠が得られなかった物質又は、適切な疫学的調査及び動物試験で発がん性の証拠が得られなかった物質

EU:European Union 欧州連合
欧州連合理事会で危険な物質を分類している。この評価ランクを次に示す。
 1:人の物質への暴露とがんの発生の間に、因果関係を確立するのに充分な証拠がある物質
 2:人の物質への暴露ががんを発生させる恐れがある強い推定を行うための適切な長期動物試験または、その他の関連する情報に基づく充分な証拠がある物質
 3:適当な動物試験からある程度の証拠があるが、カテゴリー2に入れるには不十分な物質

HPV:High Production Volume (Chemicals) 高生産量既存化学物質
OECDが既存点検プログラムの対象としている化学物質。生産量が多く、リスクアセスメントのためのデータが欠けている物質が選ばれている。

IARC:International Agency for Research on Cancer 国際がん研究機関
化学物質の人に対する発がん性を疫学および動物実験、短期試験の結果に基づいて各国の専門家による会議で討議し、分類評価を行っている。
 1 :人に対して発がん性がある。
 2A:人に対して恐らく発がん性がある。
 2B:人に対して発がん性があるかもしれない。
 3 :人に対する発がん性については分類できない。
 4 :人に対して恐らく発がん性がない。

IC50:50% Inhibition Concentration 半数致死濃度
一回の暴露で一群の試験動物の50%を死亡させる空気中の物質濃度

in vitro:
生体外「試験管内」の意味

in vivo:
「生体内」の意味

LD:Lethal Dose 致死量
人または動物を致死させた経気道経路(吸入)以外の経路による投与量。

LD50:Lethal Dose 50% kill 半数致死量
試験動物の群の50%を死亡させると予想される統計学的な被験物質の一回の経口投与量

LDLo:Lowest Published Lethal Dose最小致死量
人または動物を致死させた経気道経路(吸入)以外の経路による投与量の最小値。

LOAEL:Lowest Observed Adverse Effect Level 最低有害影響量
毒性試験において投与物質の有害な影響が臓器に認められた最低の暴露量

MOE:Margin of Safety 安全係数
今の暴露量がNOELに対してどれだけ離れているかを示す係数でExposure/no−effect Exposure levelで示す。

NOAEL:No Observed Adverse Effect Level無有害性影響量
毒性試験において投与物質の有害な影響が臓器に認められない最高の暴露量

NTP:National Toxicology Program 国家毒性プログラム
米国の各省庁が実施している化学物質の毒性研究をまとめ、発がん性物質の分類、試験を行っている。
評価分類は、つぎのとおり。
 a:人での調査から化学物質と人とがんとの間に因果関係があることを示す発がん性の十分な証拠がある。
 b:人での調査から発がん性の限定された証拠がある、または実験動物での試験から発がん性の十分な証拠がある物質。

OECD:Organization for Economic Co-operation and Development 経済協力開発機構
高水準の経済成長の維持、開発途上国への援助、世界貿易の拡大などを目的として先進国が国際経済全般について協議す機関。

STEL:Short Term Exposure Limit 短時間暴露許容濃度
労働者が短時間の間に連続的に暴露した時に刺激や慢性又は非可逆的な臓器損傷を受けずにすむ濃度。一般的には、15分間。

TC:Toxic Concentration 中毒濃度
人または動物に中毒症状を引き起こさせた経気道経路(吸入)による投与濃度

TCL:Toxic Concentration Low
一定期間定められた毒性を示すガス又は蒸気の最低の濃度

TCLo:Toxic Concentration Lowest 最小中毒濃度
人または動物に中毒症状を引き起こさせた経気道経路(吸入)による投与濃度のうちの最小値

TD:Toxic Dose 中毒量
人または動物に中毒症状を引き起こさせた経気道経路(吸入)以外の経路による投与量

TDI:Tolerable Daily Intake 耐用一日摂取量
健康影響の観点から、人間が一生涯摂取しても影響が出ないと判断される、一日当たり、体重1Kg当たりの摂取量。

TDL:Toxic Dose Low
特定の動物種に、一定の毒性を示す物質の最低投与量

TDLo:Toxic Dose Lowest 最小中毒量
人または実験動物に中毒症状を起こさせた経気道経路(吸入)以外の経路による投与量の最小値

TLV:Threshold Limit Value 
大部分の労働者が、被害を受けること無しに暴露することが可能な物質の濃度。 時間加重平均(TWA)、短時間暴露限界(STEL)などで示される。

TWA:Time Weighted Average時間加重平均
通常の8時間労働又は40時間週労働にわたって時間平均値を求めた許容し得る暴露濃度

WHO:World Health Organization   世界保健機構
世界の公衆衛生の向上や、伝染病対策、環境問題などを取り扱っている。

イニシエーター:
発がんの過程において、最初にDNAに損傷を与える要因となる物質を言う。

摂取
物質が、例えば摂食または吸入によって、吸収隔壁を横切る物質の量。

適用用量
生体の一次吸収境界(例えば皮膚、肺、胃腸管)と接触し、吸収に有効な量投与量
 量−反応関係を決定する際、特に摂食または吸入を通して被験者に与える物質の量

日本産業衛生学会
労働環境の改善と良好な環境の達成、維持のために「許容濃度等の勧告」をおこなっている。発がん性については、次のようにランク分けしている。
 1 :人間に対して発がん性のある物質
 2A:人間に対して恐らく発がん性があると考えられる物質(証拠がより十分)
 2B:人間に対して恐らく発がん性があると考えられる物質(証拠が比較的十分でない) 

暴露
化学、物理または生物物質と生体の外部境界との接触。

ハザード(有害性)
特定の科学的または物理的作用物質に起因すると考えられる潜在健康影響。

プロモーター
発がんの2段階説で、がんを促進させる物質を言う。

用量
生体の外部境界を横切った後での代謝プロセスまたは生物学的に重要なレセプターとの相互作用に有効な物質の量